コラム『庭・造園』 - 造園屋とは?

庭師・植木屋・造園屋

庭師・植木屋・造園屋といろいろな表現をしているが、さて自分はどれだろう。それぞれに意味はあるはずだから、どれでもよいということではないはずだ。
それではそれぞれ意味を考えてみましょう。

庭 師・・・ 庭は庭、師は先生(偉い人)、現場で一番偉い人(指図をする人)。
このように考えると庭師は、庭を造る人ということになる。
植木屋・・・ 植木は庭用の樹木、屋はそれを仕事とする人。
植木を生産しそれを販売し植える人となる。
造園屋・・・ 園を造る事を商売にしている人

三者それぞれにこのような違いがありそうだが、よく考えてみると重なる部分が多いことに気が付く。 たとえば庭の手入れは庭を造った人がやるほうが良い庭になると思うが、植木屋が木を植えるとすれば当然管理もする。
ということは三者とも内容はそう変わるものではないようだ。

他の面から見た分類

それではもう少し分類を変えてみよう。公共工事・民間工事と分かれ、その中でも管理専門の業者もいます。
たとえば民間の庭造りの注文があったらどの業者がやればよいのでしょうか?
基本的には造園の看板を掲げている以上どの業者が施工してもよいと思いますが、もともと公共工事と民間造園工事とでは仕上がりに求められるレベルが違い、民間工事では細かいところまで完成度を高める必要があり、なお仕上がりの景色を重要視します。
この完成度をどこまで高めるかが公共工事と民間工事との違いかもしれません。

先日ある人が「造園屋とはなんだ?」と質問してきました。訳けを聞くと「野面石積みを頼んだら石積みにならない」と嘆いていたので行ってみると、材料の石が野面には使いにくい石であるのと、見るからに不安定そうな石積みでした。
良い庭を造りたいのが施主の思いであり、よい庭を造るのが業者の責任です。ということは、請けた仕事は全部自分で施工しないで自信のない部分は得意な業者に下請けに出せば仕上がりのレベルアップにつながり、それが造園業界のレベルアップにつながることでしょう。